
スイッチを入れると即座に暖かさが得られる─遅延も空気の流れもなく、安定した熱がじわりと広がる。春のような暖かさは偶然ではなく、対流熱ではカバーできない赤外線放射熱が機能しているからだ。住宅内では、快適さは秒単位で感じられる必要がある。ここに赤外線暖房の利点がある。
技術的に重要なポイント
赤外線ヒーターは電磁波を直進させて人や物体を直接加熱する─皮膚に当たる太陽の熱をイメージするとよい。中心となるのはエミッターで、通常はカーボンファイバー素子かクォーツ管で、中長波赤外線に調整されている。波長は5〜15ミクロンの範囲で、快適とされる領域だ。 現場では、1,500 Wのユニットで感覚的な温度上昇が2〜3秒で可能で、反射板によって数メートル先まで熱が伝わる。エネルギーは必要な部分に直接届くため、空気全体を加熱して無駄にすることがない。内蔵サーモスタットで出力は一定に保たれるほか、転倒時停止機能や過熱遮断機能は標準装備である。
実際の空間での有効性
室内では、即時かつ均一に感じられる暖かさが求められる。強制空気循環式では熱が上方に押し上げられ、床は冷えたままで温度が上下動する。赤外線暖房は低い位置に均等に熱を広げ、ドラフトなく部屋全体を包み込む。筋肉が緩み血行が促進される感覚がすぐに得られ、送風機を使わないため空気中の塵埃の巻き上げも抑えられる。 リビングの夜、キッチンの朝、屋根付きパティオでの静かな時間など、エネルギー消費を抑えつつ安定した快適さを実現する。
実用的な注意点
赤外線は直進性が高いため、設置場所が重要である。放射方向を着座エリアに向け、物体や人から最低でも3フィートのクリアランスを確保する。空気全体を暖めるのではなく、占有者を直接暖めることを目的としているため、小さい部屋の主暖房として適し、大きい部屋では補助暖房として使うのが一般的である。 屋外使用の場合は、湿潤条件に対応したIP等級のモデルを選定すること。また、放射熱は視線線上にしか届かないため、障害物があると遮られて影になる部分は冷たくなる。障害物のない範囲をカバーする設置計画が必要である。